図面を印刷してみた時にオブジェクトが背景と重なり合ってしまい、見せたい筈のオブジェクトが見えにくくなってしまう時があります。
そんな時は
「 WIPEOUT 」
で後ろの背景を「見えなくする」ことができます。
ワイプアウトコマンドは、図面上の一部を「見えなくする」ためのマスク機能で、元の図形を消さずに、上から紙を貼ったように非表示にできます。例えば、背景の線が多くて文字や表が見づらいときや、特定の範囲を印刷時に隠したいときに便利です。
「 WIPEOUT 」とコマンドを打ち、フレームか、ポリラインを選んでENTERを押します。
表示順序の調整(上・下の制御)
ワイプアウトでは「上」「下」という概念が重要です。表示順序(Draw Order)が違っていると、見せたい図形が見えなくなってしまったりします。
表示順序を変更するには
一番上に出したい図面を右クリック → 表示順序 → 最前面へ移動 を選びます。
初期状態では、ワイプアウトの境界線(フレーム)が表示または印刷されることがあります。
「WIPEOUT FRAME 」コマンドで、
0 を選択
表示しない(非表示):画面にも印刷にも表示しない。
1 を選択
表示する(印刷する):どちらにも表示。
2 を選択
表示するが印刷しない:画面には見えるが印刷には出ない。
と選ぶことが出来ます。
現在、ワイプアウトのフレームは直線のみで構成されるため、円形のワイプアウトは直接作成できません。ただし、36角形などの多角形を使えば、円に見えるワイプアウトを作ることが出来ます。
ワイプアウトのメリット
- 下の図形を削除せずに見た目を調整できる。
- 移動や複製しても、非表示領域が自動で追随する。
- 印刷前の見た目を整えやすく、トリム等の編集作業が減る。
まとめ
ワイプアウトは、背景を隠したいけれど、元のデータはそのままにしたいときにとても役立ちます。
「範囲をクリックして囲む」だけ。とても簡単です。
ぜひ試してみてくださいね。

